ドビュッシーの前奏曲集は特にお気に入りの曲集です
12曲ずつの2巻 / 計24曲は各々違う個性を持っています
(亜麻色の髪の乙女)や(沈める寺)が中でも知られています
斬新な和声を擁する曲集の中で
(ヒースの茂る荒地)は明快な調性(変イ長調)で書かれています
3段譜の音符の置き方が興味深く
あたかもアニメーションの重ね画(セル画)のようです
グラフィックデザイン的にも映える楽譜だと思います
ドビュッシー / ヒースの茂る荒地
8小節目(mf)
9小節目(p)
と記譜されていますが
オーケストラ的な音の厚みを感じる部分なので
私はここを(f)-(mf)で弾いています
ドビュッシー本人が自分の作品を弾いた録音が
いくつか残っています
弱音指定や細かい表情記号の多い楽譜ですが
作曲者は明快なタッチであっさりと弾いています
楽譜はあくまでも入り口で
作曲者の意図を汲みつつ / 奏者がイメージを補完しながら弾く
といった考えです